NEWSニュース

RELEASE

新年のご挨拶 | 代表取締役 山口揚平

いつもお世話になっている皆様へ

謹んで新春をお祝い申し上げます。
ブルー・マーリン・パートナーズの山口揚平です。

旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
令和2年が明け早2週間、皆様におかれましては益々ご活躍のことと存じます。

本文は、新年のご挨拶として
今年の世界の展望をお伝えし、最後に弊社の今年の方針を共有させていただきます。

◯2020年の展望

令和2年目、オリンピックイヤーですが、私が予測する2020年の展望は暗いです。

本でも書いた通り、この国は産業も社会も疲弊しています。なんとかオリンピックまでは臭いものに蓋をするでしょうが、その膿みが噴出するでしょう。

産業としては古いメディアの凋落や車を中心とした輸出工業産業の退廃、小売業の没落です。

社会としては、ゴーンさんの件でもありましたが、三権分立がなされてなく政府と司法が密な関係にあることや、日本の地方における外国人労働者の扱いの酷さの噴出、教育現場の腐敗と教育内容の古さが明らかになってくるに違いありません。

このような旧システムや産業が壊れていくのが今年後半から2023年くらいまで、新しい産業や制度を整えようという動きがその後出てくるでしょう。

新旧の交代は2025年と見ています。

私は社会制度と産業創造を二つに分け、前者を盟友に、後者を自分が担うつもりでこの10年活動してきました。そのため、ありとあらゆる事業に手を出して試行錯誤を続けました。その中で、日本の未来は大きく3つの産業にかかっていると結論づけました。

3つとは、輸出による売上増加のためのロボティクス・国内のコスト改善のための医療システム改革、世界と同期を取るためのマルチコミュニティ創造です。

その詳細をお伝えします。

◯自動車はロボティクスへと進化せよ

日本を振り返ってみると、過去50年間は自動車産業で食べてきたことがわかります。

自動車産業には企画や設計から、部品づくりがあり、板金でシャーシをつくる工場もあって、それらを組み立て、販売し、アフターケアもする。その上、保険や金融もつけることもできる。その長いサプライチェーンで、バケツリレーをしっかりやっていくことでいい車ができるわけです。

このバケツリレーが、島国であうんの呼吸で話せてある意味ダイバーシティのないf^_^;日本人が得意なことです。

そして、サプライチェーンが長い産業は最も雇用を生むことができます。中卒も高卒も、誰もが雇用で吸収できる自動車産業はあらゆる日本国民が様々な方法で働けるプラットフォームだったというわけです。

しかし今では自動車自体はコモディティ化しており、シェアエコノミーで販売台数は減り、どうあがいても今後は厳しくなるでしょう。1億円の高級車もAI自動運転もカンフル剤にさえなりません(むしろ日本の弱いところです)。

その自動車産業から進化をする先は、ロボティクスです。決して自動車の進化ではありません。

ロボティクスも自動車と同じ特徴があります。バケツリレーでつくる必要があるのです。

ロボティクスは当然、コモディティ化されておらず、産業としては未熟。しかし今後多くの企業が統合されていき、ビルや高速道路などのメンテナンス、警備や介護にも使われていくはずです。車は道路を走るだけですがロボットは道路だけでなく、工場内を動き、空を飛び、歩道を歩き、家庭やオフィスにも入りこみます。

きっと膨大な数のロボットが動き、あらゆる産業に何らかはロボティクスに絡むようになるでしょう。

AI、ネットワーク、駆動系、電気系、板金、保険・金融、教育、介護まですべてであり、膨大な市場です。優秀なトップVCが軒並みロボティクスへ投資しているのも肯けます。

一方、日本からはなかなかGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)のような産業が出てこない。なぜならこれらは、ワンファンクションで1人の天才がつくるものです。

むしろ日本は、擦り合わせの文化の中で言語化されない知恵をもちより真似できないクォリティを担保してきたのです。

ロボティクスへの国家的投資は必須です。

◯日本の最重要改革アジェンダは医療システム

医療システムは、この国が一番取りかからなければならない分野です。医療介護費用として年間約80兆円かかっているコストを削減するということです。

医療といっても、先端医療や未病、あるいはアフターケア、ゲノム解析などといった様々な分野がありますが、医療システムはそれら個別の分野のことではありません。電子カルテや保険制度や医師会の扱い、総合病院と町医者などを含めた、医療業界のエコシステムそのものを指しています。

そして、この国は世界で最も高齢化が進み、医療システムには今後も膨大なコストがかかり続けます。

嫌味な言い方をすれば大きな票田である団塊世代が現役を引退した今、社会保障改革はまったく進まないと思います(逆に働き方改革が進んだのは団塊世代が引退して自分達に関係なくなったからとも言えます)。

医療システム自体は輸入していくことになると思いますが、この改革も盛んに行われていくでしょう。

つまり、私が考える今後30年の国家産業戦略は、ロボティクスで売り上げを立て、医療システムでコストを下げるということです。

国民全員がぼんやりその感覚を持って生活していきたいです。

◯社会システムの再構築としてのマルチコミュニティ

3つ目は、マルチコミュニティです。

マルチコミュニティを考えるなら、社会システム全体について考える必要があります。この国を一つで捉えるのは既に限界を迎えているということです。

道州制ではありませんが、今後は国をそれぞれの地域コミュニティに分解していくことが重要になってきます。各地域コミュニティがそれぞれ地方債を発行して、外交していってもいいでしょう。

コミュニティの社会インフラをつくる仕事を「コミュニティオプティマイザー」と言いますが、その重要性が今後は高まっていきます。

コミュニティインフラは4つにわかれていきます。1つは財政で、2つ目が保険をはじめとする、健康管理システム。それに法律、教育です。基礎インフラというこの4つが、各コミュニティで変わっていくはずで、実際、今でも健康管理システムや教育システムは大学を中心として変化していっています。財政と法律はまだ自立できていませんが、財政に関しては今後各地域コミュニティが藩札のようなものを発行して、自立していくと思います。

これからは、地域コミュニティが独自のインフラや産業を持つようになるはずです。その過程で起業家や若者たちが暮らしやすいところに移住し、コミットすることで、改革が起こっていきます。スピード感や洗練度は各都市でどんどん差が開いてゆくでしょう。

◯ 市民?庶民?都民?それとも世界市民?

昨年は、上級国民、下級国民などが揶揄されましたが、今年のオリンピック以降はさらに細分化してゆくでしょう。まず東京のセキュリティや衣食住の品質の良さ、価格の安さからスーパーホワイトカラーが進出してきています。

もはやロンドンやパリにはイギリス人やフランス人は少なくなっていますが、日本人で東京の中心に住めるのは一部のエリートとインフラを支える労働者だけになるでしょう。今の都民は川崎とか北千住に住むことになるかもしれまん。

理解すべきは、東京は日本の一部でなく独立した国際的な都市国家になるということです。そのひとたちは都民です。

地方で、民主政治への参加率の高さと生き方の寛容度を備えたコミュニティを好み、そこに住む人を市民と言います。

どちらにも入らないなら、庶民です。50〜60%の日本人がここに入るでしょう。凋落する日本の財政と社会保障の欠如に苦しみます。孤独も増えるでしょう。

残りの2% が世界市民で(大阪なおみさんからゴーンさんまで国をまたいで生きてゆけるわずかな人達)です。

私たちは、今後どの産業・階層で生きるのか決め、主体的に関わってゆく必要があるでしょう。

◯私たちの展望 - 事業創造・投資

さて、最後に私たちブルー・マーリン・パートナーズの展望です。

昨年まではすべて自己資本で投資を行い、事業の立ち上げ・資金調達をしてまいりました.
本年は、みなさまの資本を預かりながら産業創生を行なってまいります。

出資にご興味がある方は、ぜひご連絡ください。投資成績などを開示します。

またメンバーとしても募集しております。

◯私たちの展望 - コンサルティング

事業投資で得た知見を、皆様に還元すべく、コンサルティングも並行して行って参ります。

今まで15社の立ち上げ資金調達、事業創造支援を行ってまいりました。それらはどれも業界のパラダイムを変える企業です。

その知見を共有しながら、皆様と共に産業創生に寄与して行きたいと考えております。

何かお困りの点ございましたらお気軽にお声がけください。
いつでもご相談に乗らせていただきます。

▶︎▶︎お問い合わせはこちらから

それでは本年もよろしくお願いします。

山口 揚平 拝